【考察】「ミラベルと魔法だらけの家」ギフトが無い理由は?真のギフトは伏線にあった?

2023年11月17日(金)21:00 ~ 22:54、日本テレビ系列「金曜ロードショー」にて『ミラベルと魔法だらけの家』がテレビ放送されました。

「誰かの役に立つ方法、って人によって違うのよ」

ギフトを持たない女の子の奮闘が、勇気をくれる!そんな物語になっています。

この記事では、映画『ミラベルと魔法だらけの家』の舞台、更に物語が伝えたかったことを考察しています。

映画概要

概要

『ミラベルと魔法だらけの家』は2021年のアメリカ映画。

魔法一家に生まれながら、家族でただ一人魔法を使えない女の子が、家の危機を救おうとするミュージカルです。

あらすじ

南米コロンビアの奥地に立つ魔法の家【カシータ】には、マドリガル家が3世代でいっしょに暮らしていました。マドリガル家に生まれた子供は、5歳になると“ギフト”をもらえるはずでしたが・・・家族のなかで唯一“ギフト”をもらえなかったのが、主人公の女の子ミラベルです。

時は流れ、ミラベルは15歳になります。姉妹やいとこはギフトをもらっているのに、何のギフトも持たないミラベルは、引け目を感じていました。

そんなある日、ミラベルは、魔法の家【カシータ】家族の“異変”に気づき、家族たちに伝えるのですが・・・

舞台はコロンビア!

「ミラベルと魔法だらけの家」は、コロンビアを舞台にしています。

製作陣はコロンビアの文化や環境を入念にリサーチし作品に取り入れたそうです。

そのため、劇中ではコロンビアの文化や風景が描かれており、コロンビアが生産量を誇る色鮮やかな切り花や、移民の文化が織りなす多様性などが作品制作に取り入れられたそう。

また、作品を通してコロンビア人の国民性を知ることが出来るシーンとして、以下のものがありました。

・楽観主義

過去に紛争地域であったことや、現在も麻薬カルテル、失業率の高さ、貧困格差など社会問題が山積みのコロンビア。しかし、前向きで明るく、情熱的に問題に取り組む姿勢が、幸福度の高い国として名高いコロンビアを支えていることは間違いないでしょう。

・ダンスが上手

コロンビア人の生活には、音楽・サルサ文化・パーティーがとっても身近!とにかくダンスの場が多く、踊れない人がいても積極的に誘ってくれるのがコロンビア人。大人も子供も知らない人も、みんなで一緒に陽気な時間を過ごすのが、コロンビア人の団らんの秘訣。

劇中でも、家族やまちの人々が、老若男女問わず楽しそうに踊る姿が度々登場しますよね。

【考察】ミラベルにギフトが与えられなかった理由は?

考察Ⅰ:家族の平和を保つため

魔法のギフトを持つ姉たちの苦悩

魔法のギフトを持つ姉たちは、それぞれ人知れず苦悩を抱えていました。

ミラベルの上の姉・イサベラは「花を咲かせるギフト」を持ち、周囲からは”華やかで美しい女性”という印象を持たれていましたが、実は「完璧な女性でいるより自分らしく生きたい」と苦悩していました。

また、ミラベルの2番目の姉・ルイーサは、「怪力のギフト」の持ち主で、周囲からは“ちから自慢”という印象を持たれていることに、人知れず大きなプレッシャーを感じていたことがわかります。

「人々のために生きる」ことに縛られ、生きたいようには生きれないことに苦悩するイサベラとルイーサ・・・そんな彼女たちのフラストレーションが、マドリガル家を崩壊へ導こうとしていました。

それを象徴するのが、ブルーノが見た「マドリガル家の崩壊」のビジョン。しかし、そのビジョンには続きがあり、そこに映し出されたのは「家族の崩壊を救うのは、姉と助け合うミラベルの姿」でした。

マドリガル家の崩壊を救うカギは、魔法のギフトを持っていないミラベル

もし姉たちのように、ミラベルにもギフトがあたえられた場合、マドリガル家はどうなっていたのでしょうか。

魔法のギフトを持つ者しかいなければ、「ありのままの自分が特別であること」に気付く人がいないまま、個々が抱える過度なプレッシャーによりマドリガル家を崩壊へと導いていたことでしょう。

つまり、魔法のギフトを持たないミラベルが存在するからこそ、そんな当たり前で重要なことに家族が気付くことができ、みんなの個性を認め合う平和なマドリガル家を保ち続けることが出来たのでした。

考察Ⅱ:アルマおばあちゃんの後継者になるため

この物語の中で、最も重要なキーパーソン、それは、ミラベル同様魔法のギフトを持っていないアルマでした。

アルマと夫のペドロが街を追い出され、ペドロが自分の命を差し出した時に初めて、”奇跡”が生まれました。ペドロが自分よりも家族や一緒に逃げてきた町の人々のことを想い、アルマがその意志を受け継ぐことにより奇跡が起きたのです。そんなアルマの孫であるミラベルだからこそ、ギフトを持たずとも、家族を思う強く優しい心を持ちました。

ミラベルは魔法のギフトこそ持っていないものの、アルマおばあちゃんがそうしてきたように、マドリガル家を支えるという役割(=スペシャルなギフト)がちゃんと受け継がれていたのです。

【考察】ミラベルの真のギフトとは?

マドリガル家のなかで唯一「魔法のギフト」を持たない存在の主人公ミラベル。

映画の中では、最後まで“ミラベルのギフト”については明示されないままです。

しかし、ミラベルの真のギフトとは、

  • 『誰でも特別になれること』への気付き
  • 『家族そのものがすばらしい』ことへの気づき

であることが推測されます。

つまり、ミラベルは、自身の精神的な成長を通して、自身の力でギフトを得ることが出来たのではないでしょうか。

実は、作品冒頭で流れる会話や歌の中に、ギフト獲得への伏線が散りばめられていました。

伏線Ⅰ:ロバ配達人の「スペシャルじゃないスペシャル!」

映画の冒頭。

村の子供たちから、マドリガル家で唯一ギフトが無いことを問い詰められ、途方に暮れるミラベル。

そんな彼女のもとへ、ロバの配達人のおじさんが来ます。

おじさんは、おもちゃやお菓子とともに、ミラベルに次の言葉をプレゼントしました。

「ミラベル! プレゼントだ。マドリガル家の子供でひとりだけギフトを持ってないから、特別に。名付けて、スペシャルじゃないスペシャル!

これは視点を変えてみれば、『みんなが特別な存在になれるんだよ。』というメッセージのようにもみてとれますよね。

伏線Ⅱ:劇中歌♪不思議なマドリガル家

ミラベルは、冒頭の「♪不思議なマドリガル家」でこう歌っています。

私たちはマドリガル
ここで生きるマドリガル
みんながすばらしいこの家族のひとり
私もそうよマドリガル

ミラベルは、ギフトを持っているからこそすばらしいのではなく、家族ひとりひとりそのものがすばらしいと歌っています。

魔法のギフトがあろうが無かろうが、私も家族も、みんながすばらしい

この考えこそが、後にミラベルが家族を救う奇跡を導き出したのです!

まとめ

いかがでしたか。

この物語は、観る人すべてに「あなたが特別だとよ」と語りかけてくれるような、心温まる作品です。

また、ピクサー映画には他のピクサーキャラが隠れていることも。

ぜひ、大切な人と何度も見てみてはいかがでしょうか。

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